この記事で説明しているポイントは?
トイレつまりが起きると、日常生活に支障をきたします。誰でも慌ててパニックになりがちですが、原因によっては自分で直すことができます。
とはいえ、トイレつまりは頻繁に起きる問題ではないため、ラバーカップなどの道具を用意していない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、よくあるトイレつまりの症状と原因、そしてトイレつまりを自分で解消する方法を解説します。トイレつまりでお困りの方は、この記事をぜひ参考にしてください。
トイレ周りの水漏れについてはこちらの記事をご覧ください。
トイレつまりでよくある5症状タイプ
トイレはタンクなどから便器に水を流し、排泄物を排水管に押し流すといった仕組みで機能しています。
トイレつまりの症状は主に以下の5つあり、それぞれの症状によって原因も異なります。
- 水の流れが悪い
- 水が少しずつ流れる
- トイレからゴポゴポ音がする
- 水を流すと水位が上がる
- トイレの水位が下がる
- 水が引かない
それぞれについて解説します。
水の流れが悪い
トイレの水の流れが悪くうまく流れない場合、便器の奥や排水管でつまりが起きている可能性があります。
流れが悪い状態のまま放置していると、悪化して完全に流れなくなってしまうおそれもあります。
また、つまっているものが確認できないのに水の勢いが弱い場合は、トイレタンクに問題があるケースもあります。
つまりが起きていなくても水勢が弱いと、トイレットペーパーや便を押し流せず、トイレつまりにつながります。
トイレの流れが悪い原因や対処法は以下の記事で詳しく解説しています。
「トイレの流れが悪い原因は?ゴボゴボ音はつまり?自力対処法を徹底解説!」も併せてご覧ください。
全く水が流れない
トイレの水が急に流れなくなる原因は、トイレつまりのほかにも、水圧が弱いことやトイレの故障が考えられます。
トイレの故障の原因として考えられるのは、レバー・フロートバルブ・浮き球です。
「トイレの水が流れない?実はあのペットボトルが原因?つまり?故障?対処法徹底解説!」も併せてご覧ください。
水が少しずつ流れる
トイレに大量の水がたまっても、時間が経てば水が少しずつ流れていくという症状があります。この状態であればトイレは完全にはつまっていません。
ですが、「少しずつ流れるから大丈夫だよね」と安易に考えるのは危険です。
そのまま放置するとつまりが悪化していく可能性が高くなります。
トイレがつまって水が少しずつ流れる状況の場合でも様々な原因が考えられます。
原因を調べ、それぞれにあった対処が必要です。
トイレの水が少しずつ流れる原因や対処法は以下の記事で詳しく解説しています。
トイレからゴボゴボ音がする
水を流したときに、トイレの奥から「ゴボゴボ」といった異音が聞こえる症状があります。
この異音は、水に空気が混ざって出ている音です。
水の流れ方に異常がなければ問題ありませんが、水の流れがいつもより遅いと感じるなら、排水管でつまりが発生している可能性があります。
ゴボゴボ音はトラブルが起きる前兆です。いつもと違う音を聞き取った場合、配管やタンクの不具合を疑い早めに対応しましょう。
水を流すと水位が上がる
水を流した時に水位が上がるのは、便器の奥や排水管でつまりが起きている時の症状です。
つまり具合によっては全く水が流れずに、便器内に水がたまりあふれてしまうこともあります。
時間が経過しても水位がなかなか下がらない場合、トイレつまりの可能性があるでしょう。
注意したいのが、異物を「何とか流してしまおう」とすることです。
水をあふれさせないためにも水位が上がっていると感じたら、水は流さないようにしましょう。
トイレの水が逆流している場合の対応方法は以下の記事をご覧ください。
トイレの水位が下がる
便器内の水位が下がり、場合によっては悪臭がするという症状もみられます。
通常よりもトイレの水位が低くなる原因は大きく分けて以下の2つあります。
1.排水管がつまっている
2.便器やタンクが破損している
排水管のつまりが原因の場合は、悪臭をともなう場合が多いです。
一方、便器やタンクの破損が原因の場合は、水漏れをしている可能性があります。
自然に解消される
トイレに流せるものがつまった場合には、自然に治る場合があります。「水が少しずつ流れる」程度であれば、自然に治る可能性があります。
具体的には、次のものがつまった場合です。
- トイレットペーパーのつまり
- 排泄物のつまり
- 「水に溶ける」商品のつまり
- バリウムのつまり
ただし、上記が原因でもトイレつまりの初期症状になっている場合もあります。
トイレつまりが自然に解消されるケースと解消されないケースの見分け方をこちらの記事で解説しています。
水が引かない
トイレの水がつまって引かない状態は、排水システムに何らかの異常が発生している兆候です。異常が何であるかを正確に特定することで、適切な対処が可能となります。
例えば、トイレットペーパーが多量に流されると、排水口付近で固まり、水の流れを妨げることがあります。結果として、水が引かなくなるのです。
トイレットペーパーのつまりが最も多い原因と言えるでしょう。
トイレがつまる4大原因は?
トイレつまりが起きている場合、まず原因を特定しましょう。原因を知ることで適切な対処ができ、自分で直せるか判断できます。
トイレつまりの原因は以下が挙げられます。
- 大量のトイレットペーパーのつまり
- 異物のつまり
- タンク内の水量不足
- 排水管のつまり
それぞれを解説します。
大量のトイレットペーパーつまり
トイレットペーパーは水に溶けるように作られていますが、一度に大量に流すとつまりの原因になります。
水に溶けるものは、トイレットペーパー以外にも以下のものがあります。
- 便
- 流せる掃除シート
- 猫用のトイレの砂(水に溶けるタイプであっても)
水に溶けるとはいえ、大量に便器に流し込んでしまうと、トイレがつまります。
適量を使用したり、数回に分けて流しましょう。また、流すときに「大」洗浄で流しましょう。
異物のつまり
水に溶けないものをトイレに落として流してしまうことで、トイレがつまる原因になります。
スマートフォンや小物をポケットに入れている人もいるでしょう。その状態で用を足し、立ち上がった拍子に便器内に落下してしまうケースが多いです。
異物が排水管内に引っかかり、時間の経過とともに汚物や異物が引っかかり、つまりが悪化してしまいます。
物を落とした時は、なるべく早く取り除くことが重要です。
また、生理用ナプキンやおむつは、水分を吸収し膨張する性質があります。
排水管内でつまると、便器内の水を吸収して大きくなり、排水路を塞いでしまいます。
胃腸の検査の際に飲むバリウムも、最近はやりの節水トイレではトイレつまりの原因になることもあります。
バリウムによるトイレつまりの対応策についてこちらの記事で解説しています。
タンク内の水量不足
節水を目的として、流す水の量が少ないこともつまりの原因になります。
タンク内にペットボトルなどを入れて節水している家庭もありますが、水の量が不足する原因になることがあります。
水量が少ないと感じたら、ペットボトルを取り除きましょう。
また、節水対策以外にも、水漏れにより流す水の量が不足するケースもあります。
タンク内の部品に破損・故障などが生じると、水漏れが生じます。
すると、タンク内の水位が低くなり、十分な水が流れなくなってしまいます。
タンク内の水が減ったことで水位が下がる症状についてこちらの記事で説明しています。
排水管のつまり
排水管の汚れの蓄積もつまりの原因になります。
築年数が古い建物に住んでいる場合や、トイレ掃除をしていない場合などは排水管に汚れが蓄積しやすく、水の流れが悪くなり、つまりの原因となります。
また、排水管が破損していて排水が上手くいかないことも考えられます。
自然災害によって排水管が破損している可能性がある場合は、プロに依頼して調査してもらうのが良いでしょう。
トイレつまりの対処方法 8選
自分でトイレつまりを解消する方法を紹介します。それぞれの症状に合った方法でトイレつまりを解消してください。
ラバーカップやパイプクリーナーといったホームセンターで売っている道具を使う方法や、代用品を用いた方法がありますので、ご自身にあった方法を選んでください。
ラバーカップ(すっぽん)を使う
ラバーカップ(すっぽん)は水に溶けるものがつまりの原因のときに有効な方法です。
ラバーカップは、ラバーカップを排水口に押し当てて密着させ、一気に引き抜いて使います。
これを何度か繰り返し、水を流して水位が上がってこなければ解決です。
水位が上がる場合は、もう一度水を取り除いてラバーカップを使用します。
作業時は水が飛び散りますので、便器のまわりに新聞紙やビニールシートを敷いておきましょう。
ラバーカップには種類があるので購入の際は注意してください。
ラバーカップの選び方、使う際の注意点の詳細は以下の記事をご覧ください。
「ラバーカップの使い方は?トイレつまり解消で失敗しないコツを徹底解説」
バケツやペットボトルで流す
バケツやペットボトルで勢い良く流す方法は、トイレットペーパーや排泄物など水に溶ける異物が詰まっている場合に有効です。
バケツやペットボトルに入れた水を勢い良く便器に流し入れることで、奥に詰まっている異物に圧を加え押し流します。
手順は以下のとおりです。
- 便器に水がたまっているなら水を出す
- バケツやペットボトルに入れた水を勢い良く流す
- 水の水位が上がってこないか確認する
- 上がってきた場合は1・2を繰り返す
- 水位が上がらなくなればレバーで水を流してみる
水を50度前後のぬるま湯に変えると効果が高まります。
何度か試して改善しない場合は、つまっている量が多い可能性があります。その他の方法を試してみましょう。
重曹・酢を使う
重曹と酢を混ぜたぬるま湯を使うことで、水溶性の異物を効果的に溶かすことができます。
水に溶けない異物には効果がないので注意してください。
重曹と酢は正しい分量で混ぜる必要があるため、以下の手順を参考にしてください。
- 便器内の水を取り除く
- 重曹約150gを便器内に入れる
- お酢約100mlを入れる
- 泡が出てきたら、便器の半分くらいまで45度程のぬるま湯を入れる
- フタをして1時間ほど放置する
- 水を高い位置から流し入れる
- 水位が上がってこなければ、レバーで水を流す
熱湯だと便器を傷めてしまうおそれがあるため、必ずぬるま湯を入れるようにしてください。
この作業は、換気扇を回したり窓を開けて行いましょう。
真空式パイプクリーナーを使う
ラバーカップと似たような商品で、真空式パイプクリーナーがあります。
ラバーカップよりも吸引力が強く、ハンドルがついてるのが特徴です。
使い方はラバーカップとほぼ同じです。
- 便器の水量をパイプクリーナーのカップ部分が浸るくらいにする
- ハンドルを押した状態でカップを排水口に密着させる
- ハンドルを勢いよく引く
- 手順1・2を繰り返す
- 水を流し、問題なく流れればつまり解消
ハンドルを引いたときに手応えを感じなければ、きちんと密着できていない可能性があります。
排水口にしっかり密着させて使用してください。
真空式パイプクリーナーの強力版ともいえるローポンプ(圧縮ポンプ)の使い方については、こちらの記事で解説しています。
ワイヤーブラシを使う
ワイヤー式パイプクリーナー(ワイヤーブラシ)は、排水管の内部を掃除する道具です。
ワイヤーブラシを使って以下の方法でつまりを解消できます。
- ワイヤーブラシのハンドルを回してつまりの原因を細かく削って流れやすくする
- ワイヤーを前後させてつまりを押し流すか、引っ張り出す
無理にワイヤーブラシを押し込もうとすると、排水管や便器を傷つけるおそれがあります。使い方には十分気をつけましょう。
「無理やり」押し込むと状態を悪化させてしまうことがありますので、やめましょう。
トイレつまりの原因解消のために使える可能性のある道具をこちらの記事で解説しています。
洗剤を使う
食器用液体洗剤などと50度程度のお湯を使った方法です。
この方法で解消できるのは、トイレットペーパーなど水溶性の異物の軽度のつまりです。
重度のつまりや固形物のつまりは解消できないので注意してください。
手順は以下です。
- 便器にたまった水を通常の水位まで除く
- 排水口に洗剤を100ccほど入れる
- 50度程度のお湯を便器の半分まで注ぐ
- そのまま20分放置する
- 水位が下がっていたらタンクの水を流す
複数の洗剤を混ぜると有毒ガスが発生することもあるため、必ず同じ洗剤を使ってください。
また便器によっては、一部の洗剤が使えない場合もあるため、トイレメーカーの説明書を確認してください。
つまり解決策として使える可能性のある洗剤リストをこちらの記事で特集していますのでご覧ください。
ビニール袋を使う
ビニール袋2枚とゴム手袋を使い、ラバーカップと同じ原理でつまりを解消します。
この方法で解消できるのは、トイレットペーパーなど水溶性の異物のつまりです。
手順は以下の通りです。
- 便器の水を通常の水位まで汲み出しておく
- ゴム手袋をはめた手を拳にし、2枚重ねたビニール袋の中に入れる
- ビニール袋ごと拳を便器の排水口に入れる
- つまりが解消されるまで拳の押し引きを繰り返す
ゴム手袋をしていないと逆流した水で手が汚れてしまうので、必ず着用しましょう。
つまりが解消されて流れ始めた際に、ビニール袋が流されないように注意してください。
針金ハンガーを使う
針金ハンガーを変形させて、ワイヤーブラシの代用品として使う対処法もあります。
手順は以下の通りです。
- ペンチを使って針金ハンガーを棒状にし、先端に輪を作る
- 排水口に入れてつまりの原因を探す
- ハンガーを小刻みに動かしてつまったものをほぐす
つまったものが小さくなると、自然と水が流れていきます。
水が流れ始めたら、バケツに汲んだ水をゆっくりと便器に入れ、流れがスムーズになったか確認します。
この方法で解消できるのは、排泄物やトイレットペーパーなど、トイレに流してよいものです。
固形物のつまりの場合、奥に押し込んでしまい状況が悪化するので注意しましょう。
自力で解消?業者を呼ぶ?判断ポイント
トイレつまりを自分で解消できるかどうかは場合によります。原因がトイレットペーパーなど水に溶けるものの場合や、目で確認できる位置に異物がある場合は自力で解消できます。
しかし、自分で取り除こうとすると、より深い場所につまらせてしまうおそれがあるため注意が必要です。
原因が分からなかったり、異物が見えない場合は専門業者に依頼することをおすすめします。
異物を取り除くためには、適切な道具や方法が必要です。
つまりの解消方法に不安がある場合は、業者に依頼することで安心して解決できます。
自力で対処できない場合は?
ここまでで紹介した方法を試してもつまりが解消しない場合は、業者への依頼を検討してみましょう。
無理に自分で解消しようとすると、つまりの原因を奥に押し込んでしまい、症状が悪化してしまうことがあります。
例えば「便器の水が溜まってあふれている」「ゴボゴボと大きな異音が発生している」など、明らかに異常な状態が起こっていたら、水回りに詳しくない人が作業すると事態が悪化するだけという可能性が高いです。
「明らかにトイレの状態が異常・危険」と思ったら、早めに業者を呼んで対応してもらうことをおすすめします。
業者へ連絡する前に、この記事で説明した症状や原因を参考にトイレトラブルの状況をまとめているとスムーズに説明できるでしょう。
賃貸物件でトイレつまりが生じた場合は、大家や管理会社指定の修理業者があるかもしれません。事前に確認しましょう。
まとめ
トイレつまりのトラブルはいつ発生するか分からず、対処法を知らなければ慌ててしまうでしょう。ですが、つまりを解消する方法を知っていれば、冷静に対処できます。
トイレがつまった時は、ラバーカップや真空式パイプクリーナーなどのトイレ用の道具や、無い場合は代用品を使って対処ができます。この記事を参考に自力でトイレつまりの解消を試してみましょう。
対処してもトイレつまりが解消されなかったり、つまった原因がはっきりしないときは、専門業者の力を借りるのもひとつの方法です。
費用はかかりますが、短時間で確実にトイレつまりを解消することができます。