今ではあまり見かけなくなった和式トイレですが、公共施設や一般家庭ではまだ使っているところがあります。でも、洋式トイレの普及に伴い、さすがにもう「和式から洋式トイレに変えよう」と思っている方はたくさんいらっしゃるでしょう。今回はそのような方のために、リフォームにかかる費用や工事期間、その他さまざまな知りたいことについて解説しましょう。

和式トイレのデメリット

足腰への負担

和式トイレの場合、しゃがんで用をたすので、その姿勢を保つことで足腰に負担がかかり、筋肉やバランス感覚が弱くなってきた方や高齢者などにとって、とても危険となります。例えば、バランスを崩した拍子に転倒して、頭を打ったり骨折するなどのケガに繋がることがあります。足腰の弱った高齢者や妊婦、小さなお子さんがいるご家庭では、なるべく早く洋式トイレにリフォームすることをおすすめします。

見た目が不衛生

和式トイレの便座部分にはフタが無く、便器内が丸見えとなり、少しの汚れでも目立ってしまいます。また、最新の便器のように汚れが付着しにくい加工がなされておらず、床がタイルのためトイレ掃除を怠ると、とても不衛生な見た目となってしまいます。

便槽が浅い

和式トイレの便槽は浅いので、排泄場所に水があまり溜まっていません。そのため、便の悪臭がトイレ内に充満しやすく、水を流した時に水が飛び跳ねることもあります。また、便器の外も汚れ易く、臭いも気になるところです。

トイレつまりの修理が困難

和式トイレでは便器が床に埋め込まれており、簡単に着脱が出来ません。そのせいで、トイレがつまった時などに原因となるものを取り出すのが、甚だ困難になることが多いのです。例えば、排水管につまりの原因がある場合は、床を壊して便器を取り外す必要が出てきます。トイレットペーパーなどのトイレに流して大丈夫なものなら、専用道具を使ってつまりを解消することが可能です。しかし、スマホや紙おむつなどを流した場合はその修理が大変なことになるので注意してください。

スカートやズボンが邪魔

和式トイレではスカートやズボンが邪魔になって、用を足しにくいと感じた方も多くいらっしゃいます。特に、ロングスカートや丈の長いシャツでしゃがむと、便器につくなど、とても不衛生なのです。

和式から洋式トイレにリフォームするメリット

足腰への負担軽減

洋式トイレでは便座に座るので、足腰への負担がほとんどありません。そのため、足腰の筋肉が弱った高齢者や子どもにとって使いやすくなっています。なお、座るだけだからバランスをとる必要もなく、転倒などのリスクも少なくて済みます。介護やバリアフリーなどを考えている方は、洋式トイレへのリフォームをまず最初に行ったほうが良いでしょう。

きれいな状態を保てる

洋式トイレでは便槽が深く、便器から水が飛び跳ねる心配がありません。なお、最近の洋式トイレは便器に特殊加工が施され、汚物がこびりつき難くなっています。機能性に優れたトイレでは、自動洗浄機能で汚れや臭いの元となる菌を除去するなど、便器内をきれいに保つことができます。そのせいで、和式の場合より掃除の頻度も減り、手入れも楽になっています。

便器の交換が可能

洋式トイレは便器が床に埋まっていないので、床を壊さずに着脱できます。そのため、トイレに流せないスマホや紙おむつなどがつまってしまっても、便器を外して異物を取り除くことができます。尚、便器が壊れても大きな工事を行わずに、便器の交換ができるので、短時間で安価に済ませられます。

少量の水でしっかり洗浄

1960年代に普及した水洗和式トイレでは、1回の洗浄で16~20ℓの水を使いますが、節水機能に優れた洋式トイレでは、大1回の洗浄で3.8ℓ(例:TOTOネオレストNXの場合)しか使用しません(壁排水の場合は4.8ℓ)。つまり1回で約12~13ℓも節約できるのです。これは年間換算で15000円の水道代節約となります。水量は少なくても、水流を工夫することで、便器内を隈なくパワフルに洗浄するので、汚物やトイレットペーパーが流れ難いということはありません。

ウォシュレットが付けられる

洋式トイレならウォシュレット(温水洗浄便座)が取り付けられるので、冬でも温かい状態の便座に座れます。また、おしりを拭く回数を減らせるので、肌を守り、菌との接触を減らすことも可能です。ウォシュレットは、便器内を濡らすので汚物を付着しにくくする機能や脱臭機能など、座ったり洗ったりする機能以外も充実しています。

いかがでしたか、今回は紙面の都合上、和式トイレのデメリット・洋式トイレへリフォームすることのメリットについてのみに絞って、ご紹介しました。次回はその他の情報についてお伝えします。