この記事のポイント

  • トイレへの手洗い器の後付けは給排水管を新たに確保できるかどうかで工事内容と費用が変わるため、着工前の現地確認が必要です
  • 自宅の便器の給水方式と排水経路を確認し、水道局指定給水装置工事事業者に現地調査を依頼して書面の見積もりを取る
  • 戸建て住宅では多くの場合で後付けが可能
  • マンションでは専有部分の制約により給排水を引けないケースがあり、賃貸では貸主の承諾が前提
  • 費用や業者選びに不安が残る場合、水道レスキューセンターは見積もり・出張・キャンセル料を無料としており、現地調査の段階から相談できます

「親が夜中にトイレでふらついた」「退院までにトイレを使いやすくしたい」。そんな切迫した状況で調べ始めると、トイレリフォーム費用は15万円とも60万円とも書かれていて、結局自分の家に何が必要なのか分からなくなります。

まず本人がどの動作でつまずいているかを1つに絞ることが、無駄のない工事と支給限度額20万円の使い道を決める出発点になります。

この記事では、水道局指定給水装置工事事業者として大阪を中心に水まわり工事を手がける水道レスキューセンターが、以下について整理します。

  • 手すりの取付けから和式トイレの洋式化まで工事別の費用相場
  • 介護保険の住宅改修で対象になる6種類の工事と対象外になる具体例
  • 申請から給付までの手順
  • 業者選びのポイント

介護のトイレリフォームで工事の優先順位はどう決める?

介護のトイレリフォームで工事の優先順位はどう決める?

介護のトイレリフォームで優先すべき工事は、本人ができない動作から逆算して決まります。工事メニューを並べて選ぶのではなく、移動・立ち座り・衣服の上げ下ろし・夜間の対応という4つの動作のうち、どれでつまずいているかを先に特定することが判断の起点になります。

本人がどの動作でつまずいているかで優先する工事はどう変わる?

優先すべき工事は、本人の動作を以下の4つに分けて特定すると見えてきます。

動作のつまずき 優先すべき工事・対応 改善の狙い・ポイント
移動
  • 手すりの設置
  • 段差解消
廊下からトイレ内への移動・転倒防止
立ち座り
  • 便器の高さ調整
  • 手すりの位置調整
立ち上がり・着座動作の安定
衣服の上げ下ろし
  • 手すりの向きの工夫
  • 動作スペースの確保
脱ぎ履き時のふらつき・転倒防止
夜間の対応
  • 動線の見直し
移動の遅れや転倒リスクの回避

私は、この4つのうちどれか1つに絞ってから業者に相談することを勧めています。複数の不安を同時に伝えると、業者側も安全側に倒して提案するため、結果的に工事範囲が広がりやすくなるからです。

ただし、動作の特定が難しい場合や複数の動作が同時に不安定な場合は、無理に絞り込まず現地調査の段階で専門家に判断してもらうほうが安全です。

必要な空間スペースの目安

状態・利用スタイル 正面スペース 側面スペース(正面不足時) 入り口幅
自力でトイレに行ける場合 85cm以上 50cm以上 85cm以上
車いす移動・自力利用 85cm以上 60cm以上 85cm以上
車いす移動・介助が必要 85cm以上 100cm以上 85cm以上

業者を呼ぶ前に測っておくべき数字は?

現地調査を効率よく進めるには以下をあらかじめ測っておくと話が早く進みます。

  • トイレの長辺と短辺
  • 出入口の有効な幅
  • 便器の前方および側方の空き
  • 出入口の段差の高さ
  • 電源コンセントの数

ただし、素人の採寸には限界があります。壁の裏側にある下地の位置や、床下の配管の取り回しまでは分かりません。測った数字はあくまで現地調査の準備であり、最終判断はプロの確認に委ねる前提で考えてください。

水道レスキューセンターでは、見積もり・出張・キャンセルをすべて無料で行っており、採寸した数字を伝えていただければ、測れない部分は現地で確認したうえで提案します。

介護のトイレリフォームは工事の種類ごとにいくらかかる?

介護のトイレリフォームは工事の種類ごとにいくらかかる?

介護のトイレリフォームにかかる費用は、工事の種類ごとに数万円から数十万円まで幅があります。ここでは手すり・段差解消・引き戸・便器交換・保険対象外設備の5種類に分けて、それぞれの費用の目安を示します。

以下で解説する金額は、水道レスキューセンターの施工実績と一般的な相場を踏まえた目安であり、建物の構造や地域、既存設備の状態によって変動します。

  • 手すりの取り付け
  • 段差解消と床材の変更
  • 引き戸への交換
  • 便器の交換と和式からの洋式化
  • 介護保険の対象外になる設備

手すりの取り付けは1万〜5万円で何が変わる?

手すりの取り付け費用は、本体の設置のみであれば1万〜5万円程度、壁の下地補強を伴う場合は5万〜10万円程度が目安です。

立ち座りを支えるL型手すり、移動を支える横手すり、姿勢保持のための縦手すりでは役割が異なるため、どの動作を支えたいかによって形状と設置位置が変わります。

現場で見てきた中でよくあるのが、石膏ボードに直接ビス留めした手すりが、体重をかけた拍子に外れてしまうケースです。手すりは体重を預ける前提の器具なので、下地補強の有無を必ず確認してください。

段差解消と床材の変更は3万〜10万円でどこまでできる?

段差解消と床材の変更にかかる費用は、3万〜10万円程度が目安です。2センチメートル程度の小さな段差であればすりつけ板で対応できますが、それ以上の高低差がある場合は床のかさ上げ工事が必要になります。

床材は、耐水性が高く汚れを落としやすいクッションフロアが標準的な選択肢です。

小さな段差ほど見落とされがちですが、つまずきの原因になりやすい部分でもあるため優先度は決して低くありません。

引き戸への交換は4万〜20万円のどこに収まる?

引き戸への交換費用は、4万〜20万円程度の幅があります。開口の確保だけであれば4万〜15万円程度、バリアフリー仕様まで含めると10万〜20万円程度になることが多く、壁の構造によって価格が大きく動きます。

内開きのドアは、トイレの中で本人が倒れてしまった際に、外から扉を開けにくいという問題があります。

引き戸への交換は、開口を広く確保できるだけでなく、万一のときの救助動線を確保する意味でも優先度の高い工事です。

関連記事:「トイレのドア交換の費用はいくらかかる?工法別の相場と安くする方法、引き戸にする条件を解説!」

便器の交換と和式からの洋式化では費用がどう違う?

便器の交換費用は、既存が洋式の場合と和式の場合で一桁変わります。洋式から洋式への交換は本体と工事費で数万円台から可能ですが、和式トイレを洋式に交換する場合は床をつくり直す工事が加わるため、15万〜50万円程度が目安になります。

詳しい内訳は「【工事内容別】和式トイレを洋式にリフォームする費用は?工期・補助金・業者選び方を解説!」で解説しています。

私は、立ち座りの負担を減らすことが目的であれば、便器交換より先に補高便座や手すりを試す価値があると考えています。旧式の和式トイレ空間は狭いことが多く、機能の豪華さよりも設置できる寸法と掃除のしやすさが満足度を左右するためです。

ただし、本人が和式トイレそのものを使えない状態であれば、便器交換を後回しにする理由はありません。

暖房や緊急通報など介護保険の対象外になる設備はいくら見ておけばいい?

暖房便座や温水洗浄便座の後付け、トイレ内の暖房機、緊急通報装置は、いずれも介護保険の住宅改修の対象外になりますが優先度が低いわけではありません。

ご本人の体力や状況によっては、居室と便所の間の温度差をできる限りなくし、通報装置をできる限り便所と浴室に設けることは重要です。保険が使えないからといって不要というわけではなく、総額の中でどこまで見込むかを決める材料として考えてください。

水道レスキューセンターでは、トイレのリフォームを38,500円から承っており、TOTOやLIXILをはじめ全メーカーを取り扱っています。保険の対象工事と対象外の設備をあわせた総額での見積もりも、出張・キャンセル料無料でご相談いただけます。

トイレの介護リフォームで介護保険が使える工事の範囲は?

トイレの介護リフォームで介護保険が使える工事の範囲は?

介護保険の住宅改修費は、要支援1から要介護5までの認定を受けた方が居住する住宅であれば、要介護度にかかわらず定額20万円が支給限度基準額になります。20万円の工事を行った場合、通常は1割負担で18万円が給付されます。

以下で、対象になる工事の種類と、対象外になる具体的なケースを解説します。

介護保険の住宅改修で対象になる6種類の工事は?

介護保険の住宅改修で対象になるのは以下の6種類です。

  1. 手すりの取付け
  2. 段差の解消
  3. 床または通路面の材料の変更
  4. 引き戸等への扉の取替え
  5. 洋式便器等への便器の取替え
  6. これらに付帯して必要となる工事

要介護度による支給限度基準額の違いはなく、要支援1の方でも要介護5の方でも同じ20万円が上限になります。

「洋式便器等への便器の取替え」には、和式便器から洋式便器への交換だけでなく、既存の便器の位置や向きの変更も含まれます。

便器の取替えで介護保険の対象外になるのはどんなケース?

便器の取替えをめぐっては、対象と対象外の線引きが分かりにくく、ここを丁寧に説明しない見積書を何度も見かけます。厚生労働省の通知によれば、対象外になるのは主に次の3つです。

  • 既に洋式便器である場合の暖房便座や洗浄機能の後付け
  • 据置式便座や補高便座、ポータブルトイレなどの腰掛便座の設置
  • 非水洗の便器から水洗式に変える場合の水洗化そのものの部分

一方で、和式便器から暖房便座や洗浄機能が付加された洋式便器への取替えは対象に含まれます。

すでに洋式便器を使っている方が機能を追加する場合と、和式から洋式に切り替える際にあわせて機能を付ける場合とでは、扱いが異なる点に注意してください。腰掛便座は住宅改修ではなく特定福祉用具販売という別の枠組みで扱われます。

トイレの介護リフォームで介護保険を申請する手順は?

介護保険の住宅改修は、着工前の申請が原則です。

段階 誰が行うか 内容 注意点
1. 相談 本人・家族 担当のケアマネジャー、または要支援の方は地域包括支援センターに住宅改修の相談 着工前に必ず相談する
2. 現地調査・見積り リフォーム業者 現地を確認し、内訳の分かる見積書を作成する 材料費・施工費・諸経費の区分が必要
3. 理由書の作成 ケアマネジャー等 住宅改修が必要な理由書を作成する 被保険者から別途費用は徴収できない
4. 事前申請 本人・家族 申請書、理由書、見積書、改修前の状態が分かる写真や図面を市区町村に提出する 書類が不足すると審査が進まない
5. 確認結果の通知 市区町村 申請内容が保険給付として適当かどうかの確認結果を事前に知らせる この通知は最終的な支給決定とは異なる
6. 着工 リフォーム業者 確認結果を受けて工事を開始する 退院日などの締め切りがある場合は着工可能日を業者と確認する
7. 完成・写真提出 本人・家族 撮影日が分かる改修後の写真と、工事費内訳書付きの領収証を準備する 改修前後の写真は同じ箇所で撮影する
8. 事後申請・支給 本人・家族、市区町村 書類を提出し、支給が決定すると給付を受け取る 原則は費用をいったん全額支払う償還払いだが、自治体によっては受領委任払い方式がある

介護のトイレリフォームを依頼する業者はどう選べばいい?

介護のトイレリフォームを依頼する業者はどう選べばいい?

介護のトイレリフォームを依頼する業者は、一般的なリフォームとは違う視点で選ぶ必要があります。以下で、具体的な確認方法を解説します。

  • 介護保険の住宅改修に使える見積書と写真を用意できるか
  • ケアマネジャーと連携して本人の動作に合わせた提案ができるか
  • 退院日など締め切りに工事を間に合わせられるか
  • 介護保険を口実に契約を急がせる訪問業者への対応

介護保険の住宅改修に使える見積書と写真を用意できる業者か

見積書は、材料費・施工費・諸経費が区分され、介護保険の対象工事と対象外の工事が分けて記載されているかを確認してください。

事後申請では撮影日が分かる改修前後の写真と工事費内訳書の提出が必要になるため、内訳を出せない業者に依頼すると申請の段階でつまずくおそれがあります。

給水管に手を加える工事を含む場合は、水道局指定給水装置工事事業者かどうかもあわせて確認してください。指定の有無は各自治体の水道局サイトで誰でも無料で確認できます。

水道レスキューセンターは大阪市(指定給水装置工事事業者第3157号)をはじめ、吹田市や高槻市など関西の多数の自治体で指定を受けており、最初にお出しした見積り金額以外の請求が発生しない運用で対応しています。

ケアマネジャーと連携して本人の動作に合わせた提案ができる業者

現地調査の際に、本人の立ち座りや移動の様子をその場で確認するかどうかは、業者を見分ける分かりやすい基準になります。理由書の内容と見積りの工事内容が整合しているかも、あわせて確認してください。

ケアマネジャーが自ら設計や施工を行わないにもかかわらず住宅改修の工事を請け負い、事業者に一括で下請けさせたり、事業者から仲介料や紹介料を受け取ったりすることは厚生労働省の通知で認められていません。

理由書の作成と施工が不自然に一体化している場合は、念のため確認することをおすすめします。

退院日に工事を間に合わせたいとき業者に何を確認すればいい?

退院日が決まっている場合は、以下の4点を業者に確認してください。

  • 事前申請にかかる期間を含めた着工可能日
  • 実際の工期
  • 工事中のトイレの確保策
  • 便器の在庫状況

特に和式から洋式への交換など日数のかかる工事では、事前申請の審査期間を見込んだ逆算が欠かせません。

水道レスキューセンターでは、日時指定に対応しており、TOTO・LIXIL・Panasonicをはじめ全メーカーを取り扱っているため、寸法や在庫状況に応じた機種をメーカーの垣根なく提案できます。24時間365日の受付にも対応しています。

介護保険が使えると言って契約を急がせる訪問業者にはどう対応すればいい?

介護保険が使えることを理由にその場での契約を迫る訪問業者には注意が必要です。介護保険の住宅改修は着工前申請が原則であるため、その場で即決を迫る業者の勧誘は制度の手順そのものと矛盾します。

不審に感じた場合は契約を急がず、消費者ホットライン188に相談してください。

よくある質問

介護保険の20万円を超えた分に使える補助金や減税はありますか?

自治体によっては、介護保険と別枠の補助制度があります。たとえば、大阪市の高齢者住宅改修費給付事業では、介護保険の住宅改修と同時に行う関連工事のうち保険対象外の部分について、保険料段階第1〜4段階は工事費のうち30万円まで、第5〜6段階は5万円までを給付します。

国の制度としては、バリアフリー改修に係る所得税の特別控除(適用期限は令和10年12月31日)や、固定資産税の減額措置(適用期限は令和13年3月31日)もあります。

制度内容と要件は変わるため、お住まいの自治体や税務署の最新情報を確認してください。

介護保険の20万円を使い切ったあとも再度使えますか?

原則として住宅改修費は被保険者1人につき生涯20万円ですが、例外的に再度利用できる場合があります。最初に住宅改修費の支給を受けた時点と比べて「介護の必要の程度」の段階が3段階以上上がった場合は、改めて20万円まで利用できます。ただしこの取扱いは1回限りです。

また、転居した場合は、転居後の住宅について改めて20万円までの支給を受けられます。工事内容が保険の対象かどうかの判断に迷う場合は、水道レスキューセンターにご相談いただければ、対象・対象外を区分した見積りをご提示します。

まとめ|介護のトイレリフォームは動作の特定から始める

介護のトイレリフォームは、トイレ全体を作り替えることではなく、本人がつまずいている動作を1つに絞り、そこに合う工事から手をつけることが近道です。

介護保険の住宅改修は支給限度基準額20万円の範囲で複数回に分けて利用できますが、着工前の申請が原則であるため、退院日などの締め切りがある場合は早めの相談が欠かせません。

まずは担当のケアマネジャー、または要支援の方は地域包括支援センターに相談し、あわせてトイレの寸法を測っておくと、その後の現地調査がスムーズに進みます。

水道レスキューセンターでは、介護保険の対象・対象外を区分した見積りと現地調査を、出張・キャンセル料無料で承っています。ご自宅や実家のトイレがどこまで工事に該当するか分からない段階でも、お気軽にご相談ください。