長く使ってきたトイレを新しいもの、または、節水や汚れ対策に優れた機能を持つものに取り換えたいと思っている方も多いことでしょう。でも、トイレ交換の作業費用が高そうで業者に頼むのをためらっている方もいるようです。そこで、今回は自分自身で購入して取り換える方法をご紹介しましょう。

自分で便器を購入してトイレ交換をする

実は、便器の取り寄せは、水回りの水道業者や交換業者でなくても行えます。自分で商品を取り寄せて、交換することができれば、作業費用分の料金を浮かせられるので、その分がお得となります。

トイレ交換に必要なもの

トイレ本体

トイレ本体は陶器製なので、衝撃によって割れることがあるので、扱いには気を付けてください。
・取り付け位置確認の型紙(便器を取り付ける位置を確認するためのシート)
・排水ソケット(購入便器により形は異なります)
トイレの排水ソケットには、便器用排水とリモデル便器用排水という2種類のタイプが販売されています。家の作り(排水芯と壁面までの距離)によって購入タイプを選んでください。尚、排水芯は便器によっては見えないので、確実に工事を行うために、一度便器を取り外す方が良いでしょう。

・固定金具(便器固定用)
・化粧カバー(便器のサイドに取り付けます)

トイレタンク

購入した段階では、いくつかの部品に分かれているので、トイレタンクを設置時に組み立てる必要があります。尚、便器本体と同様に陶製ですから、床に置いた衝撃で割れてしまうことがあるので、慎重に取り扱ってください。
・タンク本体(給水管やオーバーフロー管などが一つにまとめられています)
・止水栓(交換用の新しい止水栓に取り換えないと、保障対象外となります)
・トイレレバー(水を流すときに使うハンドルレバーです)
・パッキン(内底に取り付けるもの)
・内蓋(トイレタンク内に取り付ける蓋)

持ち出し継ぎ手、ソケット

排水芯と排水ソケットを接続するためには、持ち出し継ぎ手が必要です。トイレ本体を購入しても付属していないので、自分自身で購入する必要があります。尚、サイズや厚さの異なるソケットが4種類あるので、一度便器を取り外して自身のトイレに合ったものを選んでください。

交換に必要な工具

トイレ交換の時には多くの工具を使うので、作業にかかる前に揃えておく必要があります。
・給水ポンプとバケツ(便器内に溜まった水を抜く時に使います)
・プラスマイナスドライバー(固定する時や止水栓の開閉に使います)
・ガスバーナー(古い持ち出し継ぎ手を温めて取り外す時に使います)
・パイプソー(古い排水ソケットを切るときに使います)
・ハンマー(鉄とプラスチック両用に使えるものが便利です)
・電動ドリル(便器の固定金具を取り付ける時に使います)
・ラチェット(金具を締め付ける時にあれば便利です)
・小口径スパナ(ナットの取り外しに使います)
・大口径レンチ(取り付け便器や排水ソケットによっては使うことがあります)
・メジャー(便器の設置位置を確認するのに使います)
・シールテープ(止水栓のねじ山に巻き付けます)
・汚水塩ビ管用の接着剤(ソケットを取り付ける時に使います)
・タオル(水漏れをふき取るときに使います)

トイレ交換の方法

トイレ本体やトイレタンクの取り扱いには、十分気を付けて作業してください。尚、すべて作業は自己責任となるので、難しく感じたら無理をせずに、専門業者に相談してください。トイレ交換作業の主な流れは、以下のようになっています。
1-古い便器の取り外し
2-古い排水ソケットの除去
3-新しい止水栓の取り付け
4-新しい便器の取り付け
5-トイレの組み立て

古い便器取り外しまでの手順

1-トイレ給水管の止水栓を閉める
トイレタンク内の水を流しきってしまうため、まず給水管の止水栓を閉める必要があります。マイナスドライバーを使って、右回りに回して給水を止めます。

2-トイレタンク内の水を流す
トイレタンク横のレバーハンドルをひねって、タンク内の水が無くなるまで流してください。タンク内に水が残っていると、取り外した時に水が漏れてしまうので、しっかり抜いてください。

3-給水ポンプを使って便器内の水を抜く
タンク内の水抜きに続いて、便器内の水も抜きます。給水ポンプとバケツを使って、地道に水を抜いてください。

4-トイレタンクの外蓋を外す
トイレタンクの取り外しに際し、まずタンク上部の蓋を外してください。

5-トイレタンクの内蓋を外す
トイレタンクの種類によって、内蓋のある場合はそれも取り外します。

6-給水管とトイレタンクの接続を外す
トイレタンクの給水ホースが給水管に接続されているので、モンキーレンチを使ってナットを緩め、外してください。すでに止水栓は閉めてあるので、水が溢れ出すことはないですが、ホース内に残っていた残留水があるので、タオルを敷いたうえで作業を行ってください。

7-トイレタンクの密結ボルトを外す
トイレ本体とタンクを固定するために、便器の裏側に2か所ある密結ボルトをラチェットなどを使って取り外します。

8-トイレタンクの撤去
2つあった密結ボルトを取り去ったら、トイレタンクを持ち上げて取り外すことができます。外したタンクは作業の邪魔にならない処に置いてください。

9-便器のサイドカバーを取り外す
次に便座の取り外しを行いますが、固定金具がサイドカバーで隠されている場合があります。トイレの年式により固定金具がむき出しになっている場合は、サイドカバーがないので、このステップは省略できます。

10-便座の固定金具を取り外す
便座の固定金具も左右に2か所あるので、2つとも外してください。

11-便座を取り外す
通常タイプの便座であれば、固定金具の除去だけで分離ができます。ただ、ウォシュレット付きの場合は、作業方法が異なるので、別稿を参考にしてください。

12-トイレ本体の固定金具のキャップを取り外す
トイレ本体を取り外すために、まず、便器を固定している金具のカバーキャップを外してください。

13-トイレ本体のビスを外す
便器によっては、ねじ固定の場合とナット固定の場合があるので、それぞれに対応する工具を使って取り外します。

14-トイレ本体の撤去
固定金具を外すと、床から本体を取り外せます。かなり重いものですから、割れないように慎重に取り扱ってください。撤去した本体は大きなごみ袋に入れて、汚れや傷が他に付かないようにしておいてください。