水洗トイレの水が止まらず流れっぱなしになっている時は、トイレタンクに異常が起きているので、状況によっては自分で解決することができます。タンク内は水を溜める構造となっており、その中の部品が1つでも壊れると、タンク内に水を溜めることが出来ずに、水が流れっぱなしになるのです。今回は、水が止まらなくなった時の原因判別や修理の方法などについて、ご紹介します。

水を止めるための応急処置

トイレの水が止まらなくなった時、応急処置として止水栓を閉めるという手段があります。家全体の元栓を閉めずに、トイレタンクの横などの給水管にある止水栓を閉めることで、水が流れ続ける状態を一旦止めることができます。止水栓の頭にある溝にマイナスドライバーを差し込んで、右に90度動かなくなるまで回せば、完全に流れを止められます。

止まらない時の原因判別

タンク内の部品のどれか一つでも正常に動いていないと、トイレタンクとしての役割が果たせません。トイレの水が止まらない場合は、ボールタップ、ゴムフロート、オーバーフロー管の部品が原因と思われます。

止水栓を閉めても水が流れ続ける場合

止水栓を閉めても、まだ便器に水が流れ続ける場合は、トイレタンクだけでなく止水栓にも問題のあることが考えられます。この場合は、先ず給水管から止水栓を外して交換することから始まり、家全体の元栓を閉める必要があるので、注意してください。

止水栓を閉めれば水が止まる場合

手洗管に問題がある場合もある
手洗管の接続部分やパッキンが故障して、水を止める機能が正常に動いていない場合があり、接続部分の締め直しやパッキンの交換を検討してください。

タンク内の水位を確認
トイレタンクの中にあるオーバーフロー管に記された水位基準から、水位の高低具合により原因箇所を特定できます。

水位が高い場合

原因

水位調整ができていない
タンク内の浮き球を持ち上げて水の流れが止まれば、水位調整で対応できます。

ボールタップや浮き球の故障
タンク内の浮き球を持ち上げても水の流れが止まらない場合は、ボールタップや浮き球の故障と思われます。

水位が標準、または低い場合

原因

タンク内の水位が半分以下になる場合は、ゴムフロートか、オーバーフロー管、レバーの故障が原因と考えられます。

ゴムフロート
ゴムフロートはトイレタンク内の水の蓋の役割をしますが、タンク内で穴から外れていると常に水が漏れ続けることになります。また、繋がっているクサリが絡んでいたり、故障していると、動作に影響することがあります。

オーバーフロー管
オーバーフロー管が割れていると、隙間から水が流れ込んで、便器に水が流れ続けることになります。

どちらが原因か分からない場合は、先ずゴムフロートの交換から始める方が、一般的に多くなっています。

修理方法

ボールタップ交換

止水栓を閉める
トイレタンクにつながる給水管の止水栓をマイナスドライバーを使って、右回し(時計回り)に閉めると、配水を止めることができます。

タンク内の水を全て流す
止水栓を閉めているので、レバーハンドルを捻じればタンク内の水を全て抜くことができます。

給水管のジョイントを外す
ボールタップに繫がっているジョイントホースのナットを緩めて、外します。

ボールタップの固定ナットを外す
タンクに固定されているボールタップのナットを緩めて、外します。

ボールタップ交換
固定用ナットを外せば、ボールタップの交換ができます。

元に復帰
新しいボールタップを元の位置に固定し、ジョイントホースなどを接続します。止水栓を開けてタンク内に水が溜まって、便器に水が漏れていかなければ修理完了です。

水位調整
タンク内に溜まった水の水位が標準と大きく異なっていれば、調整の必要があります。製品により調整方法が異なりますが、説明書などの調整方法によって、標準の水位に近づけてください。

ゴムフロート交換

止水栓を閉める

タンク内の水を全て流す
上記の手順は、ボールタップ交換時と同じ要領です。

ゴムフロートを取り外す
一般的にゴムフロートはレバーハンドルアームとオーバーフロー管に固定されています。オーバーフロー管側から外して、アームに引っ掛けられたフックを外します。

ゴムフロート交換
新しいゴムフロートをオーバーフロー管に取り付け、フックをレバーハンドルアームに引っ掛けます。

チェーンの長さ調節
チェーンの長さが合っていない場合があるので、レバーハンドルを捻じった時にゴムフロートの蓋が開くように長さを調整してください。

元に復帰
止水栓を開けて、タンク内に水が溜まり、便器に水が漏れていかなければ修理完了です。

オーバーフロー管交換

止水栓を閉める

タンク内の水を全て流す
上記の手順は、ボールタップ交換時と同じ要領です。

給水管を外す
オーバーフロー管を交換する際はトイレタンクを一度取り外すので、給水管との接続を外す必要があります。

トイレタンクの固定ナットを外す
トイレ本体の裏側部分にタンクを固定しているナットがあるので、下に回り込むような姿勢で左右2個のナットを取り外してください。

トイレタンクを取り外す
トイレタンクを真上に持ち上げて取り外します。陶器製の本体やタンクですから、取り扱いには注意が必要です。

トイレタンク裏底のオーバーフロー管のナットを取り外す
取り外したトイレタンクの裏底にオーバーフロー管を固定している、大きいサイズのプラスチック製のナットがあります。ウォーターポンププライヤーと呼ぶ専用工具があれば、ナットを緩めるのに役立ちます。

オーバーフロー管交換
固定ナットを外せば、オーバーフロー管を交換できます。

元に復帰
逆手順で元に戻し止水栓を開けて、タンク内に水が溜まり、便器に水が漏れていかなければ修理完了です。

手洗管交換

止水栓を閉める

タンク内の水を全て流す
上記の手順は、ボールタップ交換時と同じ要領です。

トイレタンクのフタを外す
フタの裏側に蛇腹ホースがついている場合は接続ナットを外してから、フタを外してください。

手洗管を外す
フタの裏側にある、手洗管固定のナットを緩めて外します。

手洗管交換
新しい手洗管を取り付けて、ナットで固定します。

元に復帰
逆手順で元に戻し止水栓を開けて、タンク内に水が溜まり、便器に水が漏れていかなければ修理完了です。

いかがでしたか、トイレの水が流れっぱなしになっている場合、その原因さえ掴めば自分でも簡単に直すことができます。ぜひ挑戦してみてください。