「トイレから下水臭がする…」突然直面するこの問題に、多くの方が不安を感じているのではないでしょうか。

トイレの下水臭には明確な原因があり、適切な対処法を知っていれば、自分で解決できるケースも少なくありません。しかし、本質的な問題を見過ごしてしまうと、状況が悪化する一方です。

この記事では、水道修理の現場で培った経験を基に、トイレの下水臭が発生する主な原因と、効果的な対処法をご紹介します。自分でできる対策から、専門家に依頼すべきケースの見極め方まで、具体的にお伝えしていきます。建物の構造や配管システムを理解することで、適切な判断と対処が可能になります。

トイレつまり完全解説!自分で直せる症状や原因・解消方法徹底ガイド

トイレが下水臭い原因は?自分で出来る対策法を徹底解説!

この記事で説明しているポイントは?

トイレから下水のような臭いがする原因

トイレが下水臭い原因

トイレが下水臭い原因は以下です。

排水トラップの水切れによる臭いの逆流

封水が少ない

トイレの便器の中にたまっている水を封水と呼びます。封水は排水管から悪臭や害虫が侵入するのを防ぐ役割を持ちます。

そのため、封水が少なくなると排水管からの臭いを防げず、便器から下水の臭いがするようになります。

封水が減る主な原因は以下の3つです。

  • トイレがつまっている
  • トイレタンク内の部品が故障している
  • 長期間家を空けたため封水が蒸発した

ほかにも、専門業者に詳しく調べてもらわないと分からない原因もあります。

自力で対処できない場合は業者に依頼しましょう。

便器やタンクなどに蓄積した汚れやカビ

便器やタンクなどに蓄積した汚れやカビ

便器やタンクなどに汚れやカビが蓄積すると、下水臭い原因となります。便器内やタンクを掃除していない場合、尿の汚れや排便がついたままになり、臭いの原因になります。

また、梅雨の時期や寒暖差で結露しやすい冬の時期は、トイレ内も湿気が多くなり、カビが発生しやすくなります。

便器やタンクだけではなく、壁や換気扇にカビが発生することもあるため、こまめに掃除しましょう。

小さい子どもがいる家庭では、便器やタンクだけではなく床に尿が飛び散る可能性もあるため、すぐに掃除することをおすすめします。

また、水を流すときはトイレのふたを閉めると飛び散りを防ぐことができます。

トイレタンクがカビだらけ!効果的な掃除方法と予防策を徹底解説

配管の接合部の劣化や隙間からの臭気漏れ

配管の不具合

排水管や通気管といった配管に不具合があると、そこから臭いが漏れ下水臭くなります。

配管システムの弱点となりやすいのが、各部品の接合部です。特に経年劣化によってパッキンが劣化したり、シーリング材が剥がれたりすることで、微細な隙間が生じます。

この隙間から下水の臭気が室内に漏れ出すことがあります。

加えて、配管勾配が適切でない場合、排水のスムーズな流れが妨げられ、臭気が逆流する原因となります。これは特に古い建物や、DIYでの修理後に発生しやすい問題です。

逆流防止弁の機能低下も見逃せない要因です。この部品は下水からの臭気の逆流を防ぐ重要な役割を果たしますが、経年劣化や汚れの付着によって本来の機能を失うことがあります。

便器や排水管の汚れ・尿石の蓄積

トイレの下水臭の最も一般的な原因は、便器や排水管内部に付着した汚れや尿石の蓄積です。特に目に見えない配管内部では、長年の使用によって徐々に尿石が形成され、排水の流れを妨げると同時に、臭気の発生源となります。

この問題は、一般的な洗剤での清掃だけでは解決できないことがポイントです。尿石は通常の洗剤では落ちにくく、専用の尿石除去剤を使用する必要があります。

また、配管の形状によっては、クリーナーヘッドが届きにくい場所に汚れが蓄積することもあります。

毎日の清掃では見落としがちな便器フランジ周辺も要注意です。この部分は便器と床を接続する重要な箇所で、微細な隙間に汚れが溜まりやすく、臭気の原因となることがあります。

便器と床・クッションフロアの間の隙間

便器と床・クッションフロアの間の隙間

便器と床・クッションフロアの間に隙間ができている場合も下水臭い原因となります。

臭いだけでなく水漏れもしている場合は、以下の原因も考えられます。

  • 床材・クッションフロアの劣化
  • 床下でのカビの発生
  • 階下への漏水

この場合、自力で対処するのは難しいため専門業者に修理を依頼しましょう。

また、アパートやマンションといった賃貸物件に住んでいる場合、被害は自分の家だけではなく階下に及ぶ場合もあります。

賃貸物件の場合、まずは大家さんや管理会社に連絡し、どうすべきか尋ねましょう。

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外気や天候の変化による排水管の影響

意外かもしれませんが、気圧の変化や強風によっても臭気が発生することがあります。これは通気管(ベントパイプ)を通じて、排水システム内の気圧バランスが崩れることが原因です。

特に台風や低気圧の接近時には、サイフォン作用によって排水トラップの封水が切れやすくなります。また、気温差による配管内の結露も、臭気の発生を促進する要因となることがあります。

排水マスの水位低下も、季節や天候の影響を受けやすい問題です。夏場の蒸発や、長期間の雨不足によって水位が低下すると、臭気が室内に逆流しやすくなります。

トイレから急に強い下水臭がするようになった場合は、以下の記事をご覧ください。

トイレが急に下水臭い!理由は?原因・対処方法・予防策までプロが徹底解説

タンクの封水が原因でトイレが下水臭いときの対処法3選

封水が原因でトイレが下水臭いときの対処法3選

タンクの封水が原因でトイレが下水臭いときの対処法は以下です。

レバーを回し封水をためる

封水が自然蒸発し少なくなっている場合、レバーを回し封水をためることで下水臭さが解消されます。

封水が少なくなる原因は以下の2つが挙げられます。

  • 旅行で長期間家を空けた
  • 引っ越し先のトイレがしばらく使われていなかった

封水をためても下水臭さが解消されない場合、原因は封水の蒸発ではないため、ほかの方法を試してみましょう。

便器のつまりを解消する

便器のつまりが原因で封水が減っている場合、便器のつまりをとることで下水臭さが解消されます。

便器につまりやすいものは以下があります。

  • 財布、メガネ
  • 子どものおもちゃ
  • オムツ、お尻拭き

特にオムツは水を吸収しふくらむため、つまりの原因となりやすいです。

そのほかにも、水に流せるトイレットペーパーでも大量に流すことでトイレつまりの原因になることもあります。トイレットペーパーは適量を使いましょう。

便器のつまりを解消する方法は以下の6つがあります。

自分で対処したけれど便器つまりが解消できない場合、専門業者に依頼しましょう。

トイレのつまりのさまざまな原因、対策方法の完全ガイドはこちらです。

トイレつまり完全解説!自分で直せる症状や原因・解消方法徹底ガイド

トイレタンク内の不具合を解消する

トイレタンク内の不具合が原因で封水が減っている場合、トイレタンク内の不具合を直すことで下水臭さが解消されます。

トイレタンク内の不具合を解消する方法は以下の3つです。

  • ボールタップを交換する
  • パッキンを交換する
  • フロートバルブを交換する

トイレタンク内の部品を自力で交換する場合、まず止水栓を閉めましょう。

止水栓を閉めておくことで、冷静に対処できます。

トイレタンク内の部品は自分で部品交換できる場合もあります。

自力で対処するのが難しい場合や、トイレに合った部品を探すのが難しい場合は専門業者に依頼しましょう。

トイレタンクから水漏れ!原因とすぐできる簡単な修理方法を解説

封水以外の原因でトイレが下水臭いときの対処法

封水以外の原因でトイレが下水臭いときの対処法4選

封水以外の原因でトイレが下水臭いときの対処法は以下です。

重曹とクエン酸で掃除する

便器や壁に蓄積した汚れがある場合、重曹とクエン酸で掃除すると下水臭さが解消できます。

重曹とクエン酸で掃除する方法は以下のステップです。

  1. 重曹とクエン酸を1:2の量で混ぜる
  2. 40~50度のお湯を注いで溶かす
  3. 炭酸の泡が出てきたら掃除する

注意点として、60度以上のお湯を使用すると便器が割れる可能性があるため、40〜50度程度のお湯を使いましょう。

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トイレタンクのカビを中性洗剤で落とす

トイレタンクのカビが原因で下水臭い場合、中性洗剤でカビを落としましょう。トイレタンクは水をためる場所であり、常に内部の湿度が高いため、カビが発生しやすいです。

トイレタンク内のカビは、トイレ用の中性洗剤と歯ブラシで落とせます。掃除をするときは、タンク内の部品を傷つけないようにしましょう。

特に金属製のたわしはトイレタンク内に傷をつける可能性があるため、歯ブラシやスポンジなど柔らかいものを使うのがおすすめです。

また、トイレタンク内に入れるタイプの洗浄剤もあります。

洗浄剤でカビをあらかじめ防いでおく予防方法もおすすめです。

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便器や排水管の徹底掃除と尿石除去

まず着手すべきなのが、便器と排水管の入念な清掃です。市販の尿石除去剤を使用する際は、製品の使用方法を厳守することが重要です。

特に、作用時間を守ることで、尿石を効果的に分解することができます。

一般的な清掃では見落としがちな便器フランジの周辺も、専用のブラシを使って丁寧に清掃します。この際、パッキンを傷つけないよう注意が必要です。

また、排水口周辺の汚れは、クリーナーヘッドを使用して奥まで届くようにします。

排水管の接合部を確認し、隙間を補修する方法

排水管の接合部からの臭気漏れは、シーリング材で対処できることがあります。ただし、使用するシーリング材は必ず水道法適合部品を選択してください。

これは、安全性と耐久性の観点から重要です。

接合部の点検には、まず目視で確認し、その後スポンジで水を含ませて軽く押さえ、水漏れの有無を確認します。微細な隙間は、専用のLEDライトを使用すると発見しやすくなります。

防臭キャップの設置も、臭気対策として有効です。特に使用頻度の低いトイレでは、封水切れを防ぐ効果があります。

ただし、設置後は定期的に清掃し、目詰まりを防ぐ必要があります。

修理を行う際は、配管勾配を確認することも重要です。一般的に、排水管は100分の1から2の勾配が適切とされています。この勾配が確保されていないと、臭気の逆流や排水の滞留が発生しやすくなります。

防臭キャップを交換する

排水パイプと排水管のつなぎ目から排水の臭いが漏れている場合、つなぎ目の防臭キャップを交換すると下水臭さが解消されます。

防臭キャップは、劣化により隙間ができることがあります。防臭キャップがプラスチック製の場合には、自分で交換できるため、交換しましょう。

金属製の防臭キャップの場合は、自分で交換するのは難しいため専門業者に依頼しましょう。

換気扇を掃除する

トイレは湿気がこもりやすいため、換気扇にカビが発生していることもあります。その場合、換気扇を掃除することで下水臭さが解消されます。

カビは臭いだけでなく、感染症やアレルギーのリスクにもなるため、早めに対処しましょう。月に1回程度は換気扇を掃除し、カビが発生していないか確認するのがおすすめです。

特に梅雨の時期や寒暖差で結露しやすい冬の時期はこまめに掃除しましょう。

トイレの換気扇は天井にある場合が多いため、自分で掃除しにくい場合は専門業者に掃除を依頼するのがおすすめです。

トイレの下水臭を放置するとどのようなリスクがあるか

トイレの下水臭は、単なる不快な臭いの問題ではありません。放置することで、健康被害や建物への深刻な損傷につながる可能性があり、さらには近隣への影響も懸念されます。

早期発見と適切な対処が、将来の大きなトラブルを防ぐ鍵となります。

カビや雑菌の発生による健康リスク

下水臭の存在は、有害な細菌やウイルスが室内に侵入している可能性を示唆しています。特に、排水トラップの封水切れが起きている場合、下水管内の病原菌が室内に逆流する危険性があります。

この状況が続くと、浴室やキッチンなど、他の水回りにも影響が及ぶ可能性があります。湿気の多い環境では、黒カビなどの有害な真菌類が繁殖しやすくなります。

これらは気管支炎や喘息などの呼吸器系疾患を引き起こす原因となることがあります。

また、トイレ周辺の湿度が高まることで、ダニやカビの温床となりやすい環境が形成されます。特に小さなお子様やご高齢の方、アレルギー体質の方は、より深刻な健康被害を受ける可能性があります。

排水設備の劣化が進行し修理費用が増大する可能性

水臭の放置は、配管システム全体の劣化を加速させる要因となります。特に、臭気の原因となっている硫化水素は、金属製の配管を腐食させる性質があります。

この腐食が進行すると、配管の寿命が大幅に短くなり、最悪の場合は配管の破裂につながる可能性もあります。

さらに、排水の流れが悪くなることで、配管内部に汚れが付着しやすくなります。これにより、通常の高圧洗浄では対処できないほどの頑固なつまりが形成されることがあります。

結果として、大規模な配管工事が必要となり、修理費用が数十万円単位まで膨らむケースも少なくありません。

建物全体への影響と周囲への迷惑のリスク

下水臭の問題は、個別のトイレの問題に留まらず、建物全体に影響を及ぼす可能性があります。特に集合住宅では、配管系統が連結しているため、一つの部屋の問題が他の住戸にも波及することがあります。

臭気は建材にも染み込みやすく、一度染み込んでしまうと除去が困難になります。壁材や床材の交換が必要になるケースもあり、この場合、修繕費用は想定以上に高額になることがあります。

また、悪臭は近隣住民との関係悪化の原因にもなりかねません。特に、商業施設やオフィスビルでは、顧客や従業員の快適性を損なうだけでなく、営業上の深刻な問題となる可能性があります。

トイレの下水臭がする場合、業者に依頼すべきタイミング

自力で対処できない場合は業者に依頼

専門業者への依頼は、適切なタイミングで行うことで、無駄な出費を抑えながら、確実な解決につなげることができます。トイレの問題は放置すると悪化する傾向にあるため、症状の程度や緊急性を正しく判断することが重要です。

自分で対応できるケースとできないケースの見極め方

自己対処と専門家への依頼を分ける基準は、主に症状の持続性と深刻度にあります。例えば、清掃や市販の製品で対処しても24時間以内に臭いが再発する場合は、より深刻な問題が隠れている可能性があります。

以下の症状は、配管系統に問題が生じている証拠です。

  • 排水の流れに明らかな異常がある
  • 便器からゴボゴボという音が頻繁に聞こえる
  • 水を流した際に気泡が発生する

このような症状は、通気管のつまりや配管の損傷を示唆している可能性があります。

配管の劣化や破損が疑われる場合の対応策

配管システムの問題は、素人判断では危険を伴うことがあります。特に、排水管からの水漏れや、床下からの異臭がある場合は、早急に専門家の診断を受けることをお勧めします。

配管の劣化は、建物の築年数や使用状況によって進行速度が異なります。一般的に、戸建住宅では15年前後、集合住宅では20年前後で、何らかの補修や交換が必要になることが多いです。

ただし、これはあくまで目安であり、使用頻度や環境によって大きく変動することに注意が必要です。

便器や排水設備のリフォームが必要な場合

便器本体の劣化や、つまりが頻繁に発生する場合は、設備自体の更新を検討する時期かもしれません。特に、1990年代以前に設置された便器は、現代の節水型に比べて水の使用量が多く、つまりも起こりやすい傾向にあります。

リフォームを検討する際は、単なる機器の交換だけでなく、配管システム全体の見直しを行うことをお勧めします。これにより、将来的な問題の発生を予防し、メンテナンスコストの削減にもつながります。

業者に依頼する際の費用相場と選び方

専門業者に依頼する場合の費用は、問題の種類と程度によって大きく異なります。

  • 一般的な高圧洗浄:2〜3万円程度
  • 配管の部分的な修理:5〜10万円程度
  • 大規模な改修工事:20万円以上

業者選びのポイントは、実績と対応の丁寧さです。見積もり時に、カメラ調査などを用いて現状を詳しく説明してくれる業者を選ぶことをお勧めします。

また、保証内容についても事前に確認し、アフターフォローが充実している業者を選択することで、安心して依頼することができます。

大阪のトイレつまり修理は大阪市水道局指定業者の水道レスキューセンター

まとめ

トイレの下水臭さの原因と対処法を解説しました。トイレから下水の臭いがする場合は、封水不足、便器やタンクの汚れやカビ、配管の不具合、床と便器の隙間が原因として考えられます。

封水不足が原因なら、レバーを回したりつまりを解消したり、トイレタンク内の不具合を解消する方法を紹介しました。

私たち水道レスキューセンターでは、長年の経験を活かし、お客様のトイレの問題に迅速かつ適切に対応してきました。臭いの原因を正確に特定し、最適な解決策をご提案いたします。

まずは自己診断チェックリストで状況を確認し、少しでも不安がある場合はお気軽にご相談ください。

また、定期的な点検とメンテナンスを行うことで、問題の発生を未然に防ぐことができます。快適な住環境の維持のため、専門家による適切なアドバイスを活用することをお勧めします。