突然のトイレつまり。「急いでいるのに…」「休日だけど業者を呼ぶのは費用が気になる…」そんな焦りや不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、トイレつまりの約8割は、適切な道具と正しい知識があれば自分で解決できる問題です。排水トラップの構造を理解し、状況に応じて適切な道具を選ぶことが、安全で確実な解決への近道です。
本記事では、水道修理の現場で数多くのつまりを解消してきた経験を基に、家庭でも実践できる効果的な道具と、その正しい使い方をご紹介します。ラバーカップによる圧力アプローチから、尿石洗浄剤による化学的アプローチ、さらにトーラーを使用した物理的アプローチまで、つまりの種類に応じた対処法を解説します。
トイレつまりにお悩みではありませんか?水道レスキューセンターがそのお悩みをスピーディーに解決します。お見積もりは無料ですので、お電話でのご相談をお待ちしています。
原因別のトイレつまり対処方法をトイレつまり完全解説記事でまとめています。
この記事で説明しているポイントは?
トイレのつまりを水圧で流し去るための効果的な道具
トイレのつまりを解消する最も基本的なアプローチは、適切な圧力をかけてつまった物を押し流すことです。排水トラップの構造を理解し、水圧や空気圧を効果的に利用することで、多くの場合はつまりを解消できます。
スッポン(ラバーカップ)
スッポン(ラバーカップ)は通水カップとも言い、そのほかスポイト、ガッポン、ギュッポンなどさまざまな名前で呼ばれています。
500〜1,500円程で手に入るので、手軽にトイレつまりを解消できる有効な道具のひとつです。
【スッポン(ラバーカップ)の使い方】
- スッポン(ラバーカップ)を排水口に覆いかぶせる
- ゆっくりと押し込む
- 思いっきりグッと引き抜く
- 引き寄せられた水の勢いで異物を動かす
「力任せに押し引きすれば効果的」という誤解がありますが、実際は一定のリズムで適度な力を加えることが重要です。
特に注目すべき点は、逆流防止機能の有無です。最新のラバーカップには逆流防止弁が付いており、汚水の飛び散りを防ぐことができます。
初心者の方でも安心して使用できる、費用対効果の高い道具といえるでしょう。
スッポン(ラバーカップ)の詳しい使い方、選び方についてはこちらの記事で解説しています。
真空式パイプクリーナー
原理はスッポン(ラバーカップ)と同じです。1,500〜3,000円程で購入できます。
仕組みはとてもシンプルですが、スッポン(ラバーカップ)よりもパワーが強力です。
【真空式パイプクリーナーの使い方】
- ゴム状のカップを排水口に合わせる
- レバーを押し引きして筒内部の空気や水を吸い込んだり押し出す
ローポンプ(圧縮ポンプ)
ローポンプ(圧縮ポンプ)は、スッポン(ラバーカップ)や真空式パイプクリーナーと同じ原理です。レバーを押し引きして、圧力でトイレつまりの原因を押し出します。
原理は同じですが、より強いパワーでトイレつまりを解消でき、便器内の水位が低くても効果を発揮します。
ローポンプ(圧縮ポンプ)はプロ仕様の道具なので、高価で10,000〜25,000円程になります。サイズも真空式パイプクリーナーより大きいです。
【ローポンプ(圧縮ポンプ)の使い方】
- 排水口にラバーアタッチメントを密着させる
- レバーを押し引きする
ワイヤー式パイプクリーナー
ワイヤー式パイプクリーナーは、ブラシで直接つまりの原因を取り除くので、軽度のトイレのつまりであれば自力で対処することが可能です。
ワイヤーの先端に螺旋状のブラシがついており、ワイヤーブラシ、ワイヤードレンブラシなどとも呼ばれます。
ワイヤー式パイプクリーナーは、1,000〜3,000円程で購入できます。
【ワイヤー式パイプクリーナーの使い方】
- ブラシのついたワイヤーを便器の排水口へ押し込む
- つまりの原因に当たるまで進める
- つまりの原因に当たったら、グリップ部分を回転させて原因を取り除く
高圧洗浄機
高圧洗浄機は、一般的なラバーカップでは対処できない頑固なつまりに効果を発揮します。水道から供給される水圧を増幅し、強力な水流でつまりを解消する仕組みです。
家庭用の高圧洗浄機は、業務用と比べてコンパクトながら十分な性能を備えています。ケルヒャーのK2シリーズやアイリスオーヤマのFBN-604などが人気モデルです。
使用時は便器の形状に合わせたノズルを選び、排水口に正確に位置を合わせることが重要です。水圧は段階的に上げていき、便器や配管を傷めないよう注意が必要です。
特筆すべきは、高圧洗浄機の予防効果です。定期的な使用により、尿石や汚れの蓄積を防ぎ、深刻なつまりを未然に防ぐことができます。
ただし、設置スペースと初期投資が必要なため、頻繁につまりが発生する家庭向きといえるでしょう。
ミスターポン
ミスターポンは、トイレつまりの原因を炭酸ガスの噴射力で排水管の奥に吹き飛ばしてつまりを解消します。
価格は、本体が約25,000円、カートリッジ10本で約5,500円となります。
ミスターポンはスッポン(ラバーカップ)や真空式パイプクリーナーなどより強力で、オムツや生理用品など本来トイレに流せないものがつまった場合にも使用可能です。
スイッチ1つで操作できるので、慣れていない人でも使えます。
【ミスターポンの使い方】
- カートリッジをセットする
- 本体を便器に差し込む
- 体重を掛けたままスイッチを押す
ペットボトル
ペットボトルは加工して、スッポン(ラバーカップ)のように使います。便器の排水口の大きさに合うペットボトル、たいていの場合は500ml丸型ペットボトルで良いでしょう。
ペットボトルの底から約4cmをカッターで切り取ります。
ペットボトル口側を手に持ち、切った側をトイレの排水口に差し込んで、押したり引いたりの動作を繰り返します。
何度か繰り返して、水の動きでつまりの原因がほぐれて流れれば成功です。
ペットボトルでトイレつまりを直す方法の注意点、直せるつまり原因と直せない原因についてこちらの記事で詳しく解説しています。
トイレのつまりを化学的に溶かすための効果的な道具
化学的アプローチは、物理的な方法では対処できない尿石や固形物の溶解に威力を発揮します。ただし、使用する薬剤の特性と適切な使用方法を理解することが不可欠です。
バケツとお湯
意外かもしれませんが、バケツとお湯という身近な道具でも、効果的につまりを解消できます。この方法の特徴は、特別な道具を必要とせず、誰でもすぐに実践できる点です。
40度程度のお湯を便器に一気に流し込むことで、水圧と温度変化による物理的な力を生み出します。注水の高さと角度が重要で、便器の縁から20-30cm程度の高さから、排水の流れに沿って注ぐのが効果的です。
よくある誤解として「熱湯を使えばより効果的」という考えがありますが、これは避けるべきです。熱湯は便器のシール部を傷める可能性があり、かえって深刻な問題を引き起こす恐れがあります。
重曹+お酢・クエン酸
トイレの排水口に重曹150g、お酢(クエン酸)100mlの順番で入れます。さらに、約50度のお湯を少しずつ便器の半分くらいまで流し込みます。
重曹とお酢(クエン酸)が反応して泡が立つので、1時間ほどそのまま放置すると、その間に発泡がつまりの原因を刺激してほぐしてくれます。
最後にバケツで水を直接便器にゆっくり流し、水がスムーズに流れれば完了です。
二酸化炭素が発生するため、締め切っておくと危険です。換気をして作業しましょう。
尿石洗浄剤(デオライトLやサンポールなど)
尿石洗浄剤は、長期間の使用で形成される尿石や無機質の汚れに特化した専用の洗浄剤です。一般的な洗剤では落としきれない頑固な汚れを、化学反応によって分解していきます。
デオライトLやサンポールといった酸性の強い専用洗浄剤は、尿石を構成するカルシウムやマグネシウムと反応して、水溶性の塩に変化させます。
この化学変化により、蓄積した尿石が徐々に溶解していくのです。使用時は必ず換気を行い、手袋やマスクを着用することが重要です。
注目すべきは使用タイミングです。つまりが発生してからではなく、予防的な使用がより効果的です。月1回程度の定期的な使用により、尿石の蓄積を防ぎ、深刻なつまりを予防できます。
アルカリ性の薬剤(パイプユニッシュやピーピースルーなど)
アルカリ性の排水管洗浄剤は、有機物を主体としたつまりに対して高い効果を発揮します。パイプユニッシュやピーピースルーなどの製品は、トイレットペーパーや生活由来の有機物を化学的に分解します。
これらの薬剤の特徴は、アルカリ性の強い成分が有機物を軟化させ、その後の水流で流れやすくすることです。使用時は製品の使用量を守り、必要以上に多く使用しないことが重要です。
過剰使用は、排水トラップを傷める可能性があります。
複数の洗浄剤を組み合わせるのは非常に危険です。異なる薬剤を混ぜることで有害なガスが発生する可能性があり、絶対に避けるべきです。
台所用中性洗剤
まず台所用中性洗剤100mlをトイレへ流し、少しづつ約50度のお湯(バケツ1~2杯)を注ぎます。
台所用中性洗剤は油汚れを落とすだけではなく、潤滑油のような働きもします。そのためトイレットペーパーや排泄物がスムーズに流れるように働きます。
20〜30分経過して便器の水位が下がってきたら、お湯をつぎ足します。何度かお湯の継ぎ足しを繰り返して、スムーズに流れるようになれば成功です。
つまり解決策として使える可能性のある洗剤リストをこちらの記事で特集していますのでご覧ください。
トイレのつまりを物理的にこすり取るための効果的な道具
トイレのつまりをこすり落とし、はがしとるための道具について説明します。
ビニール袋
ごみ用ポリ袋を2枚重ねにして、グーにした手にかぶせます。ごみ袋は長いゴム手袋の代用です。
そのまま拳で栓をするようなつもりでトイレの排水口へ突っ込みます。突っ込んだ拳をスッポン(ラバーカップ)に見立てて何度か押し引きをします。
つまっているものが崩れて押し流せれば完了です。
針金ハンガー
針金ハンガーのねじってある部分を伸ばし、1本の針金にします。さらにペンチで針金のどちらかの先端を輪や螺旋状、釣り針などの形に曲げます。
曲げた方をトイレの排水口の部分へと差し込みます。針金なので奥へ入れると変形し、つまりの原因部分にまで届かせることが可能です。
つまりの原因まで届いたら、それをほぐして突き崩し、奥へと流し込みます。また、生理用ナプキンやおむつ系素材などの場合は引っかければ取り出しやすくなります。
トーラー
トーラーは、柔軟な金属製のワイヤーで構成された専門的な道具です。排水管の奥深くまで到達し、物理的につまりを除去できる点が最大の特徴です。
一般的なラバーカップや薬剤では対処できない深部のつまりに対して、特に効果を発揮します。
トーラーの使用には正しい技術が必要です。まず、ワイヤーの先端部分を慎重に挿入し、排水管の形状に沿って徐々に押し進めていきます。
途中で強い抵抗を感じた場合は、それがつまりの位置を示すシグナルです。ここで重要なのは、ワイヤーを回転させながら進めることです。
この回転運動により、つまりを効果的に破砕し、除去することができます。
一般的に広まっている誤解として、「力任せに押し込めば良い」という考え方があります。しかし、これは排水管を傷つける危険性があり、適切ではありません。
むしろ、緩やかな力で、排水管の形状を把握しながら作業を進めることが重要です。
トイレのつまりを自分で直す vs 業者に依頼する
トイレのつまりに対する対処方法は、DIYと専門業者への依頼という二つの選択肢があります。それぞれのアプローチには固有のメリットとデメリットが存在し、状況に応じた適切な判断が求められます。
DIYで修理する場合のメリットと注意点
DIYでの修理は、即座に対応できることと費用面での優位性が大きな魅力です。身近な道具や市販の製品を使用することで、多くの場合は数千円程度の費用で対処できます。
ただし、注意すべき点もあります。
不適切な道具の使用や作業方法は、排水管を傷つけたり、つまりを悪化させたりする可能性があります。特に古い配管や複雑な構造の場合は、慎重な判断が必要です。
軽度なトイレつまりって自分で直せる?
排泄物や大量のトイレットペーパーなどトイレに流していいものがつまった場合は、自力で直せる可能性があります。
子どものおもちゃやスマートフォンなど流してはいけない異物がつまった場合は、引っ張り上げて取り出せればつまりは解消できます。でも、奥へと入り込むような場合は便器を取り外すなど大がかりな修理が必要です。
また以下の場合は、排水経路のどこかでトラブルが起きている可能性があります。
- トイレつまりと同時期に浴室や台所などほかの水周りでも排水がうまくできていない
- トイレを使っていないのに水が逆流してくる
上記の状況になると、自力では原因の特定や修理は困難です。軽度なトイレつまりであれば、セルフ修理に挑戦しても良いでしょう。
道具を使っても直らない場合は業者依頼
自力での修理が難航する場合、まず冷静に状況を見極めることが重要です。つまりのタイプや場所によって、異なるアプローチが必要となるためです。
最初の対処として、使用した道具や方法を見直してみましょう。例えば、ラバーカップで効果が得られなかった場合は、高圧洗浄機やトーラーなど、より専門的な道具への切り替えを検討します。
また、複数の道具を組み合わせることで、相乗効果が得られることもあります。しかし、以下のような状況では、速やかに専門家への相談を検討すべきです。
- 複数の道具を試しても改善が見られない
- 異音や異臭が発生している
- 排水管全体に問題が及んでいる可能性がある
業者に依頼するときの費用相場
業者への依頼を検討する際、費用は重要な判断材料となります。一般的な相場は以下のような範囲で推移します。
基本的なつまり除去の場合、平日の日中であれば8,000円から15,000円程度が標準的です。ただし、深夜や休日の対応、特殊な機材が必要な場合は、これより高額になることがあります。
見積もりを取る際は、作業内容の詳細と、追加料金が発生する可能性のある条件について、具体的に確認することが重要です。また、複数の業者から見積もりを取ることで、適正な価格での依頼が可能になります。
大阪のトイレつまり修理は大阪市水道局指定業者の水道レスキューセンター
まとめ
トイレのつまりは、適切な道具と知識があれば、多くの場合は自力で解決できる問題です。ラバーカップや高圧洗浄機による圧力アプローチ、尿石洗浄剤やパイプユニッシュなどの化学的アプローチ、そしてトーラーによる物理的アプローチなど、状況に応じた適切な選択が可能です。
万が一、自力での解決が難しい場合は、信頼できる専門家への相談が重要です。特に、当社「水道レスキューセンター」では、長年の経験と専門知識を活かし、お客様の状況に合わせた最適な解決策をご提案しています。
予防的なアプローチと、当社のような信頼できる専門家との関係構築が、トラブルのない快適な生活への近道となります。ぜひ、お気軽にご相談ください。